8月9日に安愚楽側が東京地方裁判所に提出した民事再生手続申立書

「8月9日に栃木・柳澤法律事務所(安愚楽の申立代理人弁護士)が
東京地方裁判所に提出しました民事再生手続申立書を抜粋を掲載します」

と 民事再生手続申立書の抜粋を載せてくれた方がいます

ありがとうございます

これを提出したのは 債権者説明会よりも前で
7月終わりになって安愚楽に初めて依頼された弁護士さんなのに
さすが ですね

やっぱ、弁護士さんって かしこいわ~

じっくり読みたいと思います

そして、みんなで 民事再生手続申立書のへんなところを 指摘できたらいいね

8月9日に提出したものと、債権者説明会での内容と違いがあれば へんでしょ

そいでもって またまた提出を遅らしてくるであろう 民亊再生案になんと書いてくるか

すっごい楽しみだね


ほんと、ありがとね!


見ちゃ いや~ん

って、なんでやねん

最近、老化現象がはげしく、大事なことは忘れんようにメモっとかんと あきません

ほんでもって、パソコンで日記をつけるようになったんやから ここに残すことにした

アタイの日記やで、見たらあかんでー

これだけの入力は ほんま大変なんやでー

わかってるかー、あんたー

いやいや、ほんま おおきに!

かかわってくれたみなさん、ありがとぉ!


          (注) なお下線部分は、アララの原文がアララ~て間違えたみたいです
             ただし、宝探しみたいだよ、一箇所ね

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■「民事再生手続開始申立書」 ①安愚楽の概要

第1 申立会社の概要
 1 申立会社の沿革
   1981年  有限会社安愚楽共済牧場設立
          (2006年3月、 第1~5牧場まで完成)
   1982年  農業生産法人資格取得
   1987年  岩手 東北支店・東野牧場開設
   1988年  北海道 十勝支店・音更牧場開設
   1991年  北海道 足寄牧場開設
   1993年  宮崎支店開設
   1994年  大阪支店開設
          青森 青森牧場開設
          北海道 津別牧場開設
          コスモス牧場開設
   1995年  東京支店開設
   1997年  宮崎  児湯牧場開設
          (2007年3月、 第1~13牧場まで完成)
          宮崎  野尻湖牧場開設
          鹿児島 鹿児島牧場開設
          沖縄  八重山支店・バンナ牧場開設
   1998年  名古屋支店開設
          北海道 胆振牧場開設
   2001年  食品部(食肉及び食肉加工品販売)開設
   2002年  大分 久住牧場開設
   2003年  北海道 浦幌牧場開設
          青森  澤田牧場開設
          和歌山 和歌山牧場開設
   2004年  大分 山香第1牧場開設
   2005年  熊本 熊本支店・矢岳牧場開設
   2006年  岩手 岩手支店・藤沢牧場開設
          畜産事業部にてIS09001認定取得
   2007年  北海道 天塩牧場開設
   2008年  北海道 白老牧場開設
          岩手  千厩牧場開設
          鹿児島 鹿児島第2牧場開設
   2009年4月 株式会社安愚楽牧場に商号標変更
        8月 北海道 標茶牧場開設

2 申立会社の営業目的
(1)申立会社の営業目的は、下記のとおりである。

 1  和牛の繁殖飼育事業
 2  和牛の肥育事業
 3  飼料作物の生産及び販売事業
 4  肥料の生産・販売事業
 5  花卉の栽培及び販売事業
 6  農産物の生産及び販売事業
 7  食肉の販売事業
 8  レストランの経営
 9  レトルト食品の製造及び販売事業
10  惣菜の製造及び販売事業
11  冷凍調理食品の製造及び販売事業
12  ハム、ソーセージ、缶詰などの食肉製品の製造及び販売事業
13  遊園地の経営
14  ボイラーの製造及び販売事業
15  上記各号に付帯する一切の事業



■「民事再生手続開始申立書」 ②安愚楽の事業内容

安愚楽の事業内容

2) 申立会社の具体的な事業内容は、

①黒毛和種牛の繁殖から育成、肥育までの一貫生産体制による畜産事業
②黒毛和種牛委託オーナー制度の運営
③食肉加工の製造・販売事業(黒毛和牛および食肉加工品の通販事業の運営、黒毛和牛および食品加工品の直売店の運営を含む。)

である。

①畜産事業とは、申立会社において全国約40箇所(関連会社2社のそれを含む。)で展開する大規模直営牧場において、さらに約350軒の畜産農家に委託することにより黒毛和種牛の繁殖から育成、肥育までの一貫生産体制を行なっていることである。申立会社は、日本全国の約60万頭とされる黒毛和種牛の約20%以上を占める約14万5900頭を飼育している(②のオーナー契約飼育頭数も含む)。その意味では、申立会社は日本一の保有頭数を有する牧場経営企業であり、自社の直営牧場で飼育している黒毛和種牛は約7万2000頭、畜産農家に委託しているそれは約7万3000頭である。畜産事業の売上は第30期(=平成2年3月末)において約金159億5000万円であり、全体の売上の約15,53%を占めている。

②黒毛和種牛委託オーナー制度とは、申立会社の保有する黒毛和種牛をオーナーに販売し、一定期間申立会社において繁殖のため飼養した上、購入額と同額でオーナーから買い戻し、その間、黒毛和種牛の出産した仔牛を売却するなどして得た収益をオーナーに対して利益分配する、との仕組みである。この仕組みは「都会と農村を結ぶ」との申立会社の企業理念に由来する。すなわち、消費者(=都会)と生産者(=農村)とを黒毛和牛によって結びつけるべく、申立会社が畜産業務を担い、それによって、一般消費者が本物の黒毛和牛肉の美味を楽しむことのできる社会を築きたい、という理念に基づいて発案・創造された。

 具体的には、以下のような仕組みを取る。
①申立会社がオーナー希望者に黒毛和種牛の購入に関する幾つかのコースを選択してもらい、それにより黒毛和種牛(繁殖牛)のオーナーになってもらう。
②コースは、金額・配当利率等の条件が異なっているが、基本的には「売買契約、飼養の委託、再売買の予約、その間の利益分配の約定」を骨子としている。
③オーナーの取得する権利は、金額の規模により成牛1頭の所有権から一頭の10分の1以上の持分権までと多様である。
④各コースの契約金額は約30万円から金1000万円に及ぶ。
⑤新オーナーは購入契約と同時に、申立会社との間で黒毛和種牛(繁殖牛)の飼養契約を締結し、○後、申立会社において繁殖のために飼養する。
(注・申立書の中に⑥がとんでる)
⑦上記の売買代金には、再売買までの期間の飼育料が含まれている。
⑧飼養期間中(年1回)に当該繁殖牛が出産した仔牛は、申立会社において買い取り、代金がオーナーに支払われる。
⑨コースごとに定まった所定の期間が経過した後は、再売買契約が発動し、は、申立会社が黒毛和種牛を売却時の価格と同額で買い戻す。以下の過程を経ることにより、申立会社は、これまで、オーナーに3乃至4パーセント程度の実質的な利益配当を行なってきていた。申立会社は黒毛和種牛委託オーナー制度を日本において初めて考案し、この30年間これを実施してきたものである。
現在、オーナー契約に基づく牛の飼養頭数は、約10万6343頭であり、オーナー契約者は7万3000名に上っており、その契約に基づく再売買予約金額は総計約金4200億円に上っている。


③食肉加工の製造・販売事業とは、黒毛和牛をブロック肉に精肉して、飲食店等はへの販売、黒毛和牛肉をハム、ソーセージ、コロッケ等へと加工して上で、各種デパートや小売店舗、直営店舗、インターネットその他で販売するものであって、昨年度の売上実績は、第30期(平成23年3月末日)において約金23億9791万にのぼり、売上全体の2.33パーセントを占めている。



■「民事再生手続開始申立書」 ③安愚楽の資本申立会社の資本

安愚楽の資本申立会社の資本

① 現在の資本額        金3000万円

② 発行可能株式総数         15万株

③ 発行済株式の総数          3万株

④ 申立会社の株主
申立会社の株主は、下記のとおりであり、代表取締役社長 三ヶ尻久美子が100パーセント所有している。

    氏名   社長との関係     株数     占有率
三ヶ尻 久美子   本人      30,000 株    100.0%
 
⑤  申立会社の役員
   申立会社の役員は、下記のとおりである。

   代表取締役     三ヶ尻 久美子
   監 査 役     板 倉 安 秀

(1) 本 社
申立会社の本店は、登記簿上那須塩原市高久丙1796になっているが、本社機能は那須塩原市埼玉2-37の自社所有地に平家建の建物を所有し、そこに社長室、経理部、総務部、オーナー営業部、食品本部等を置いて行われている。

(2) 牧 場
登記簿上の本店所在地には自社所有地とそこに畜産本部と東日本支店を置いて全国の40ヶ所の直営牧場と約350ヶ所の預託畜産農家とを統括している。全国の40ヶ所の牧場は、下記の通り、北海道支店が管轄する8牧場、東日本支店が管轄する11牧場、九州支店が管轄する21牧場に分かれるが、その土地及び牛舎等の建物はいずれも申立会社若しくはその現地法人の所有である。

 記
(北海道支店)
①音更牧場 ②足寄牧場 ③津別牧場 ④胆振牧場 ⑤浦○牧場 ⑥天塩牧場 ⑦白老牧場 ⑧標茶牧場

(東日本支店)
①遠野牧場 ②青森牧場 ③沢田牧場 ④藤沢牧場 ⑤千○牧場 ⑥那須本社牧場
⑦那須第一牧場 ⑧那須第三牧場 ⑨那須第4牧場 ⑩那須第5牧場 ⑪和歌山牧場

(九州支店)
①久住牧場 ②山香第1牧場 ③矢岳牧場 ④小牧牧場/コスモス牧場 ⑤野尻湖牧場
⑥児湯第一牧場 ⑦児湯第二牧場 ⑧児湯第三牧場 ⑨児湯第4牧場 ⑩児湯第五牧場
⑪児湯第六牧場 ⑫児湯第七牧場 ⑬児湯第八牧場 ⑭児湯第九牧場 ⑮児湯第十牧場
⑯児湯第十一牧場 ⑰児湯第十二牧場 ⑱児湯第13牧場 ⑲鹿児島牧場 ⑳鹿児島第二牧場 ○21八重山牧場

(3)黒毛和種牛委託オーナー制度の営業・運営業務は、オーナー営業部・まきば営業部で行なっている。本社のみならず、下記東京支店、大阪支店、名古屋支店においても営業が行われてきた。これらの支店はいずれも申立会社において賃借した建物において行われてきた。

 記
(東京支店)  東京都中央区日本橋三丁目5番13号
(大阪支店)  大阪府大阪市淀川区西中島6丁目9番27号
(名古屋支店) 愛知県名古屋市中区丸の内2-14-4 工タゼ丸の内ピル5F

(4) 登記上の支店
 登記簿上の支店は、下記14であり、⑧の那須塩原市埼玉2番地27は本社機能の場所、⑬は牧場予定地であり、撤退場所であり、残りは(2)記載の牧場の一部と(3)記載のオーナー営業部の場所である。


 記
           所在地               支店名
① 岩手県遠野市附馬牛町下附馬牛第九地割135番地    遠野牧場
② 北海道河東郡音更町中音更基線56番地         音更牧場
③ 北海道足寄郡足寄町茂喜登牛580番地         足寄牧場
④ 宮崎県小林し大字細野5740番地520         小林牧場
⑤ 大阪府大阪市淀川区西中島六丁目9番27号       大阪牧場
⑥ 東京都中央区日本橋三丁目5番13号          東京支店
⑦ 沖縄県石垣市字井原間パンナ18番地1         八重山牧場
⑧ 栃木県那須塩原市埼玉2番地37
⑨ 大分県竹田市久住町大字久住4054番地        久住牧場
⑩ 北海道勇払郡厚真町字鹿沼670番地1         胆振牧場
⑪ 岩手県東磐井郡藤沢町黄海字真堀458番地       藤沢牧場
⑫ 熊本県人吉市矢岳町字大平3183番地         矢岳牧場
⑬ 沖縄県島尻郡伊是名村字勢理客3900番地       牧場予定
⑭ 北海道百老郡百老町字竹浦344番地54        百老牧場

7 申立会社の従業員 
申立会社の従業員は合計で696名であり、それらの従業員らは、畜産本部に600名が、食品本部に38名が、経理部に5名、総務部に18名、オーナー営業部に25名、まきば営業部に10名がそれぞれ所属している。畜産本部の600名は、北海道支店に234名が所在し、道内の9つの牧場に配置され、東日本支店に155名が所在し、東北北関東の11の牧場に配置され、九州支店に152名所在し、九州・沖縄の20の牧場に配置されている。ところで、申立会社の従業員の平均給与は月額約金25万6500円である。また労働組合は組織されていない。



■「民事再生手続開始申立書」 ④営業の状況

業務の概要

1 営業の状況
申立会社の事業内容は、前記「第1 申立会社の概要」欄「2 申立会社の営業目的」記載のとおりである。

2 取引先 

(1) 仕入先
申立会社の主要な仕入先は、下記のとおりである。

 記
    社 名               取 引 内 容
① 鹿児島米穀(株)              飼 料
② 湯浅商事(株)               飼 料 
③ 北日本くみあい飼料(株)          飼 料
④ JA東日本くみあい飼料(株)         飼 料
⑤ 那須野農業協同組合             飼 料
⑥ 森久保薬品(株)              薬 品
⑦ 日本全薬工業(株)             薬 品
⑧ 北海道牧草販売(株)            牧 草

(2) 受注得意先
申立会社の黒毛和牛の生体での主要な得意先は、下記のとおりである。

 記
   社   名 ( 生 体 )      社   名 ( 加 工 肉 )
① 大正(株)              ① 関東日本フーズ(株)
② 全農栃木県本部           ② (有)ホーユーフーズ
③ 南九州畜産興業(株)        ③ スターゼン北日本販売
④ JA全農九州ミートフーズ(株)    ④(株)大将軍
⑤ 阪南畜産(株)
⑥ 東京食肉市場(株)

(3) 取引金融機関
申立会社の取引金融機関は下記3機関であり、現在の主力は、那須野農業協同組合那須支店である。

 記
    金融機関名                   支店名
①   那須野農業協同組合              那須支店
②   那須野農業協同組合              高久支店
③   足利銀行                    黒磯支店


■「民事再生手続開始申立書」 ⑤係争中の訴訟

係争中の訴訟

現在、申立会社は、下記の訴訟が係争中である。



① 宮崎地方裁判所平成22年(ワ)第522号 謝罪広告掲載請求事件
 原 告     株式会社安愚楽牧場
 被 告     有限会社旬刊宮崎

② 宮崎地方裁判所平成22年(ワ)第874号 謝罪広告掲載請求事件
 原 告     株式会社安愚楽牧場
 被 告     養鶏場(注・名称省略)

以上


■「民事再生手続開始申立書」 ⑥申立会社の業績の推移

申立会社の業績の推移

申立会社の過去3年間の業績は、一応別添比較損益計算書のとおりであり、これは申立会社の決算書上の数字をそのまま横並びさせたものである。申立会社の過去3年間の売上高並びに売上高対比売上総利益率、営業利益率、経常利益率は、下記に示すとおりである。
                 売上高             第28期売上高との比較
第28期 (平成21年3月末)  713億4341万6千円    100%
第29期 (平成22年3月末)  784億6197万3千円    109.97%
第30期 (平成23年3月末) 1027億2394万1千円    143.98%
         
                 売上総利益率   営業利益率   経常利益率
第28期 (平成21年3月末)  5.79%    0.83%   1.13%
第29期 (平成22年3月末)  4.91%    0.34%   0.99%
第30期 (平成23年3月末)  3.08%   ▲0.91%   1.00%

上記によれば、売上高が増加しているにもかかわらず、売上総利益率は低下し、営業利益率も低下していることが窺われる。売上高中の飼育牛売上高は、所謂黒毛和種牛牛委託オーナー制度による契約売上のことで、第28期が約金495億円、第29期が約金603億円、第30期が約金755億円と増加していたことが窺われる。


■「民事再生手続開始申立書」 ⑦申立会社の資産・負債その他の財産状況

申立会社の資産・負債その他の財産状況

(1) 申立会社の過去3年間の資産・負債の経過は、一応別添比較貸借対照表記載のとおりであり、これは申立会社の決算上の数字をそのまま引き写して横並びさせたものである。申立会社は、債務超過に陥っているわけではない。しかしながら、①黒毛和種牛委託オーナー制度のもとでは、飼育契約期間満了時において牛の再売買が予定されており、その売買代金債務が約金4076億0605万円となる。また、②再売買の目的となる飼育中の黒毛和種牛10万6343頭は、現在、申立会社の所有物ではない。そのため、①②の項目は、決算書上に表示されていない。そこで、それを加味した上で賃借対照表を作成した場合、牛の現在価値が1頭当たり数拾萬円になることから、申立会社は大幅な債務超過状態にあるといえる。

(2) ところで、平成23年5月末日資産表の賃借対照表によれば、申立会社の資産は金657億0600万円程となっているが、それを現時点で破産したものと仮定し、整理し直した上で時価評価するならば、平成23年7月31日時点で約金207億4643万円に過ぎず、約7万3000名の黒毛和種牛のオーナーの再売買代金(予定を含む)請求債権が、約金4200億円を超えていることから(仮に、その所有和牛の売却によりその分(一頭当り20万円として)が控除されたとしても、優に3900億円を超えるものと推測される)、それを含めれば総負債額が約金4058億2100万円に上ることからすれば、約金3850億0745万円の債務超過に陥っているものと見込まれる。

破産した場合には、申立会社所有の資産のうち本社事務所の土地建物の不動産は金融機関からの担保権の実行により借入残金に充当されて一般債権への弁済原資としての余力は存せず、租税等滞納分(金8億0448万円)・労働債権(金9億8092万円)・支出予定共益費用(金70億円)等が合計で約金87億8540万円程見込まれることから、一般債権である約金4030億0918万円に対する破産配当率は1.26%と推測される

(3) 弁済の対象となる負債総額は、平成23年7月末日現在で金4318億3761万8261円に上るものと見込まれ、その内訳は、下記のとおりである。

 記

1 優先債権    729件   金       983,009,000円
2 金融債権      3件   金     5,225,628,000円
3 リース債権    15件   金       113,363,346円
4 一般債権    695件   金     5,993,817,915円
5 再売買代金  73,356件 金   420,767,886,000円

  請求債権                              
  合計     74,798件 金   433,083,704,261円


■「民事再生手続開始申立書」 ⑧申立会社が窮地に陥った経緯

申立会社が窮地に陥った経緯

1 申立会社の畜産事業は、これまで金融機関の支援をほとんど受けられなかったが、黒毛和種種牛委託オーナー制度を通じて、オーナーから資金を調達することができ、その業務を拡大して、今日に至ったものである。

2 日本の畜産業は、平成3年に牛肉の自由化がなされてからは、和牛一頭あたりの利益は赤字傾向が続き、その意味では構造不況業種に転落して現在に至っている。黒毛和種牛は、現在でも肥育牛(食肉用に育てられる牛)に関しては価格的に飼育代に見合わず、繁殖牛に関してのみ子牛を売却できることから、辛うじて利益が出ているにすぎない。したがって、全国の畜産農家は農水省の損出補償を受けることによって、かろうじて畜産が継続しえているに過ぎないのが実情である。

3 平成13年9月、千葉県内に飼育されていた牛から牛海綿状脳症(狂牛病=BSE病)が発症したことに端を発し、世にいわゆる狂牛病問題が社会問題となり、牛肉を大量に使用している焼肉業界やその関連業界は大きなダメージを被り、申立会社も牛肉の消費低迷による悪影響を受けるに至った。しかしながら、申立会社は、黒毛和種牛委託オーナーの協力を得ることにより、この悪影響を乗り切ることができた。

4 平成22年4月、宮崎県で口蹄疫が発症し、その結果、申立会社は飼養していた約1万5000頭の黒毛和種牛の殺処分を余儀なくされた。当時、口蹄疫により殺処分された牛のうち約25パーセントは申立会社の黒毛和種牛であった。その結果、申立会社の主力牧場である宮崎県の児湯第1から第9牧場のすべてが事実上の閉鎖に追い込まれてしまった。また、一部報道機関は、申立会社が「自社牧場における発症事実の報告を遅延させた」「罹病した和牛を勝手に移動し、売買伝染病に違反した」などと報道し、あたかも申立会社が感染拡大の張本人であったかの如き扱いがなされ、これにより生じた風評被害によって、申立会社は多額の損出を蒙るに至った。また、口蹄疫の一件が全国的に報道されたことが、黒毛和種牛委託オーナー制度の運用上、新規オーナーの獲得にとって大きな障壁になったことは言うまでもない。

5 そのような中で、口蹄疫の発症から1年も経っておらず、申立会社もその打撃から完全には立ち直っていない本年3月11日、東日本大震災が発生し、それに伴う福島原子力発電所の被災により、大量の放射能が東北から関東近県にかけて撒き散らされ、申立会社はこれによって営業上大打撃を受けるに至った。まず、申立会社は福島県の預託牧場で約3000頭の和牛を飼育してもらっていたが、それらを販売できなくなってしまった。次に、放射能に汚染された稲わらを牛に与えていたことによりセシウム濃度が基準値を超える牛が発見されたことから、岩手県、宮城県、栃木県の申立会社の牧場が牛の出荷停止に追い込まれたばかりか、その風評被害もあり、食肉市場自体が暴落するという事態が生じ、畜産業自体が成り立たなくなってしまった。このような放射能汚染牛の報道が連日なされたこともあって、黒毛和種牛委託オーナー制度は、現在会員の中途解約が平年月の3倍乃至4倍以上に激増し、新会員が集まらず、新たな契約締結も激減し、資金繰りが続かなくなり、遂には破綻に追い込まれた。

申立会社は、今や、大口の飼料購入先への飼料代金の支払いに窮した。そこで、初めて約束手形を振出交付することによって、実質上の支払い猶予を受けたりした。しかしながら、先月7月末日に支払い期限が到来した債務、すなわち、①中途解約者への売買代金、②子牛購入代金、③飼育期間満了による再売買代金等を支払うことができなくなり、資金面上支払不能状態に陥ったものである。


■「民事再生手続開始申立書」 ⑨事業再建計画及び弁済計画

事業再建計画及び弁済計画

1 申立会社が債権者に対する債務の弁済について考えている再建計画の骨子は以下のとおりである。

申立会社が所有する資産を売却処分する。

すなわち、

① 畜産事業に関しては、牧場単位ごとにその土地・建物・機械設備・黒毛和牛・雇用関係を一括して売却する。なお、畜産事業の内、黒字牧場に関しては継続した上での事業譲渡を、赤字牧場に関しては閉鎖して土地建物の牧場施設としてのみの売却を図る。100%子会社の牧場に関しても同様に、会社売買等を図る。

② 食品加工業に関しては事業譲渡を行う。

③ 子会社の運営するホテル事業等に関しては、会社売買を行うか、又は、ホテル施設を売却し、それらの譲渡代金により再生再建等を支払う。

以上により、清算型による再生を目指すものである。

2 担保債務の弁済方法

担保物件を処分することにより、その売却代金により弁済する。

なお、黒毛和種牛委託オーナー制度のオーナーは、契約対象の黒毛和種牛の所有権者であり、当該和種牛を申立会社において飼養契約に基づいて占有管理しているところ、その牛を処分・換価し、処分費用を控除した残金をオーナーに返済する。オーナーは個別の牛を所有しているが、その同意を得た上、返済額に差が生じないようにする。また、オーナーに対する取り扱いは、中途解約か否かに拘らず同じになるようにする。

なお、現実には、黒毛和種牛のオーナーは、和牛を客観的な価値の10倍以上の価格にて購入しており、再売買代金請求債権額を大幅に下回る10分の1以下の金額しか回収することができないと見込まれる。

3 再生債権の弁済方法

申立会社の所有牧場を、迅速かつ高価に売却することや、子会社に対する債務を回収すること等により確保した資金を、弁済原資に充当する。優先債権の弁済や牧場の維持費等にかかる費用を勘案すれば、再生債権の数パーセントしか弁済することができないものと想定される。なお、この黒毛和種牛のオーナーが有する再売買代金請求債権から所有黒毛和種牛の対価として交付した金額を控除した残金相当分の請求権については、再生債権として他の一般債権者と同様に取り扱う予定である。


■「民事再生手続開始申立書」 ⑩再生手続選択の理由

再生手続選択の理由

 申立会社が実質的な清算を目的としているにも拘わらず、破産手続ではなく民事再生手続を選択した理由は、申立会社において管理する和牛14万6000頭の存命を優先する必要があると判断したことによる。すなわち、申立会社が現在の飼育体制を当面の間だけでも維持するためには、餌の購入等の取引関係の維持、委託先農家との交渉、飼育業務に従事する従業員らの雇用の維持等、現在の業務体制を極力保全し、破産手続を選択した場合に予想される様々な法律上・事実上の混乱を回避する必要があった。

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株式会社安愚楽牧場 「民事再生手続開始申立書」

  (株)安愚楽牧場「民事再生手続開始申立書」    

申立会社の概要

1 申立会社の沿革
   1981年  有限会社安愚楽共済牧場設立
          (2006年3月、 第1~5牧場まで完成)
   1982年  農業生産法人資格取得
   1987年  岩手 東北支店・東野牧場開設
   1988年  北海道 十勝支店・音更牧場開設
   1991年  北海道 足寄牧場開設
   1993年  宮崎支店開設
   1994年  大阪支店開設
          青森 青森牧場開設
          北海道 津別牧場開設
          コスモス牧場開設
   1995年  東京支店開設
   1997年  宮崎  児湯牧場開設
          (2007年3月、 第1~13牧場まで完成)
          宮崎  野尻湖牧場開設
          鹿児島 鹿児島牧場開設
          沖縄  八重山支店・バンナ牧場開設
   1998年  名古屋支店開設
          北海道 胆振牧場開設
   2001年  食品部(食肉及び食肉加工品販売)開設
   2002年  大分 久住牧場開設
   2003年  北海道 浦幌牧場開設
          青森  澤田牧場開設
          和歌山 和歌山牧場開設
   2004年  大分 山香第1牧場開設
   2005年  熊本 熊本支店・矢岳牧場開設
   2006年  岩手 岩手支店・藤沢牧場開設
          畜産事業部にてISO9001認定取得
   2007年  北海道 天塩牧場開設
   2008年  北海道 白老牧場開設
          岩手  千厩牧場開設
          鹿児島 鹿児島第2牧場開設
   2009年4月 株式会社安愚楽牧場に商号標変更
        8月 北海道 標茶牧場開設

2 申立会社の営業目的
(1)申立会社の営業目的は、下記のとおりである。

 1  和牛の繁殖飼育事業
 2  和牛の肥育事業
 3  飼料作物の生産及び販売事業
 4  肥料の生産・販売事業
 5  花卉の栽培及び販売事業
 6  農産物の生産及び販売事業
 7  食肉の販売事業
 8  レストランの経営
 9  レトルト食品の製造及び販売事業
10  惣菜の製造及び販売事業
11  冷凍調理食品の製造及び販売事業
12  ハム、ソーセージ、缶詰などの食肉製品の製造及び販売事業
13  遊園地の経営
14  ボイラーの製造及び販売事業
15  上記各号に付帯する一切の事業


申立会社の事業内容

申立会社の具体的な事業内容は、

①黒毛和種牛の繁殖から育成、肥育までの一貫生産体制による畜産事業
②黒毛和種牛委託オーナー制度の運営
③食肉加工の製造・販売事業(黒毛和牛および食肉加工品の通販事業の運営、黒毛和牛および食品加工品の直売店の運営を含む。)

である。

①畜産事業とは、申立会社において全国約40箇所(関連会社2社のそれを含む。)で展開する大規模直営牧場において、さらに約350軒の畜産農家に委託することにより黒毛和種牛の繁殖から育成、肥育までの一貫生産体制を行なっていることである。申立会社は、日本全国の約60万頭とされる黒毛和種牛の約20%以上を占める約14万5900頭を飼育している(②のオーナー契約飼育頭数も含む)。その意味では、申立会社は日本一の保有頭数を有する牧場経営企業であり、自社の直営牧場で飼育している黒毛和種牛は約7万2000頭、畜産農家に委託しているそれは約7万3000頭である。畜産事業の売上は第30期(=平成23年3月末)において約金159億5000万円であり、全体の売上の約15.53%を占めている。

②黒毛和種牛委託オーナー制度とは、申立会社の保有する黒毛和種牛をオーナーに販売し、一定期間申立会社において繁殖のため飼養した上、購入額と同額でオーナーから買い戻し、その間、黒毛和種牛の出産した仔牛を売却するなどして得た収益をオーナーに対して利益分配する、との仕組みである。この仕組みは「都会と農村を結ぶ」との申立会社の企業理念に由来する。すなわち、消費者(=都会)と生産者(=農村)とを黒毛和牛によって結びつけるべく、申立会社が畜産業務を担い、それによって、一般消費者が本物の黒毛和牛肉の美味を楽しむことのできる社会を築きたい、という理念に基づいて発案・創造された。

 具体的には、以下のような仕組みを取る。
①申立会社がオーナー希望者に黒毛和種牛の購入に関する幾つかのコースを選択してもらい、それにより黒毛和種牛(繁殖牛)のオーナーになってもらう。
②コースは、金額・配当利率等の条件が異なっているが、基本的には「売買契約、飼養の委託、再売買の予約、その間の利益分配の約定」を骨子としている。
③オーナーの取得する権利は、金額の規模により成牛1頭の所有権から一頭の10分の1以上の持分権までと多様である。
④各コースの契約金額は約30万円から金1000万円に及ぶ。
⑤新オーナーは購入契約と同時に、申立会社との間で黒毛和種牛(繁殖牛)の飼養契約を締結し、爾後、申立会社において繁殖のために飼養する。
(注・申立書の中に⑥がとんでる)
⑦上記の売買代金には、再売買までの期間の飼育料が含まれている。
⑧飼養期間中(年1回)に当該繁殖牛が出産した仔牛は、申立会社において買い取り、代金がオーナーに支払われる。
⑨コースごとに定まった所定の期間が経過した後は、再売買契約が発動し、は、申立会社が黒毛和種牛を売却時の価格と同額で買い戻す。以下の過程を経ることにより、申立会社は、これまで、オーナーに3乃至4パーセント程度の実質的な利益配当を行なってきていた。申立会社は黒毛和種牛委託オーナー制度を日本において初めて考案し、この30年間これを実施してきたものである。
現在、オーナー契約に基づく牛の飼養頭数は、約10万6343頭であり、オーナー契約者は7万3000名に上っており、その契約に基づく再売買予約金額は総計約金4200億円に上っている。


③食肉加工の製造・販売事業とは、黒毛和牛をブロック肉に精肉して、飲食店等への販売、黒毛和牛肉をハム、ソーセージ、コロッケ等へと加工した上で、各種デパートや小売店舗、直営店舗、インターネットその他で販売するものであって、昨年度の売上実績は、第30期(平成23年3月末日)において約金23億9791万にのぼり、売上全体の2.33パーセントを占めている。


申立会社の資本

① 現在の資本額        金3000万円

② 発行可能株式総数         15万株

③ 発行済株式の総数          3万株

④ 申立会社の株主
申立会社の株主は、下記のとおりであり、代表取締役社長 三ヶ尻久美子が100パーセント所有している。

    氏名   社長との関係     株数     占有率
三ヶ尻 久美子   本人      30,000 株    100.0%
 
⑤  申立会社の役員
   申立会社の役員は、下記のとおりである。

   代表取締役     三ヶ尻 久美子
   監 査 役     板 倉 安 秀

(1) 本 社
申立会社の本店は、登記簿上那須塩原市高久丙1796になっているが、本社機能は那須塩原市埼玉2-37の自社所有地に平家建の建物を所有し、そこに社長室、経理部、総務部、オーナー営業部、食品本部等を置いて行われている。

(2) 牧 場
登記簿上の本店所在地には自社所有地とそこに畜産本部と東日本支店を置いて全国の40ヶ所の直営牧場と約350ヶ所の預託畜産農家とを統括している。全国の40ヶ所の牧場は、下記の通り、北海道支店が管轄する8牧場、東日本支店が管轄する11牧場、九州支店が管轄する21牧場に分かれるが、その土地及び牛舎等の建物はいずれも申立会社若しくはその現地法人の所有である。

 記
(北海道支店)
① 音更牧場 ②足寄牧場 ③津別牧場 ④胆振牧場 ⑤浦幌牧場 ⑥天塩牧場 ⑦白老牧場 ⑧標茶牧場

(東日本支店)
① 遠野牧場 ②青森牧場 ③沢田牧場 ④藤沢牧場 ⑤千厩牧場 ⑥那須本社牧場
⑦那須第一牧場 ⑧那須第三牧場 ⑨那須第4牧場 ⑩那須第5牧場 ⑪和歌山牧場

(九州支店)
① 久住牧場 ②山香第1牧場 ③矢岳牧場 ④小牧牧場/コスモス牧場 ⑤野尻湖牧場
⑥児湯第一牧場 ⑦児湯第二牧場 ⑧児湯第三牧場 ⑨児湯第4牧場 ⑩ 児湯第五牧場
⑪児湯第六牧場 ⑫児湯第七牧場 ⑬児湯第八牧場 ⑭児湯第九牧場 ⑮児湯第十牧場
⑯児湯第十一牧場 ⑰児湯第十二牧場 ⑱児湯第13牧場 ⑲鹿児島牧場 ⑳鹿児島第二牧場 ○21八重山牧場

(3)黒毛和種牛委託オーナー制度の営業・運営業務は、オーナー営業部・まきば営業部で行なっている。本社のみならず、下記東京支店、大阪支店、名古屋支店においても営業が行われてきた。これらの支店はいずれも申立会社において賃借した建物において行われてきた。

 記
(東京支店)  東京都中央区日本橋三丁目5番13号
(大阪支店)  大阪府大阪市淀川区西中島6丁目9番27号
(名古屋支店) 愛知県名古屋市中区丸の内2-14-4 工タゼ丸の内ピル5F

(4) 登記上の支店
 登記簿上の支店は、下記14であり、⑧の那須塩原市埼玉2番地27は本社機能の場所、⑬は牧場予定地であり、撤退場所であり、残りは(2)記載の牧場の一部と(3)記載のオーナー営業部の場所である。

 記
           所在地               支店名
① 岩手県遠野市附馬牛町下附馬牛第九地割135番地    遠野牧場
② 北海道河東郡音更町中音更基線56番地         音更牧場
③ 北海道足寄郡足寄町茂喜登牛580番地         足寄牧場
④ 宮崎県小林市大字細野5740番地520         小林牧場
⑤ 大阪府大阪市淀川区西中島六丁目9番27号       大阪牧場
⑥ 東京都中央区日本橋三丁目5番13号          東京支店
⑦ 沖縄県石垣市字井原間バンナ18番地1         八重山牧場
⑧ 栃木県那須塩原市埼玉2番地37
⑨ 大分県竹田市久住町大字久住4054番地        久住牧場
⑩ 北海道勇払郡厚真町字鹿沼670番地1         胆振牧場
⑪ 岩手県東磐井郡藤沢町黄海字真堀458番地       藤沢牧場
⑫ 熊本県人吉市矢岳町字大平3183番地         矢岳牧場
⑬ 沖縄県島尻郡伊是名村字勢理客3900番地       牧場予定
⑭ 北海道百老郡百老町字竹浦344番地54        百老牧場

7 申立会社の従業員 
申立会社の従業員は合計で696名であり、それらの従業員らは、畜産本部に600名が、食品本部に38名が、経理部に5名、総務部に18名、オーナー営業部に25名、まきば営業部に10名がそれぞれ所属している。畜産本部の600名は、北海道支店に234名が所在し、道内の9つの牧場に配置され、東日本支店に155名が所在し、東北北関東の11の牧場に配置され、九州支店に152名所在し、九州・沖縄の20の牧場に配置されている。ところで、申立会社の従業員の平均給与は月額約金25万6500円である。また労働組合は組織されていない。


業務の概要

1 営業の状況
申立会社の事業内容は、前記「第1 申立会社の概要」欄「2 申立会社の営業目的」記載のとおりである。

2 取引先 

(1) 仕入先
申立会社の主要な仕入先は、下記のとおりである。

 記
    社 名               取 引 内 容
① 鹿児島米穀(株)             飼 料
② 湯浅商事(株)              飼 料 
③ 北日本くみあい飼料(株          飼 料
④ JA東日本くみあい飼料(株        飼 料
⑤ 那須野農業協同組合            飼 料
⑥ 森久保薬品(株)              薬 品
⑦ 日本全薬工業(株)            薬 品
⑧ 北海道牧草販売(株)           牧 草

(2) 受注得意先
申立会社の黒毛和牛の生体での主要な得意先は、下記のとおりである。

 記
   社   名 ( 生 体 )      社   名 ( 加 工 肉 )
① 大正(株)               ① 関東日本フーズ(株)
② 全農栃木県本部           ② (有)ホーユーフーズ
③ 南九州畜産興業(株)        ③ スターゼン北日本販売
④ JA全農九州ミートフーズ(株)    ④(株)大将軍
⑤ 阪南畜産(株)
⑥ 東京食肉市場(株)

(3) 取引金融機関
申立会社の取引金融機関は下記3機関であり、現在の主力は、那須野農業協同組合那須支店である。

 記
    金融機関名                   支店名
①   那須野農業協同組合             那須支店
②   那須野農業協同組合             高久支店
③   足利銀行                    黒磯支店


係争中の訴訟

現在、申立会社は、下記の訴訟が係争中である。



① 宮崎地方裁判所平成22年(ワ)第522号 謝罪広告掲載請求事件
 原 告     株式会社安愚楽牧場
 被 告     有限会社旬刊宮崎

② 宮崎地方裁判所平成22年(ワ)第874号 謝罪広告掲載請求事件
 原 告     株式会社安愚楽牧場
 被 告     養鶏場(注・名称省略)

以上


申立会社の業績の推移

申立会社の過去3年間の業績は、一応別添比較損益計算書のとおりであり、これは申立会社の決算書上の数字をそのまま横並びさせたものである。申立会社の過去3年間の売上高並びに売上高対比売上総利益率、営業利益率、経常利益率は、下記に示すとおりである。
                 売上高             第28期売上高との比較
第28期 (平成21年3月末)  713億4341万6千円    100%
第29期 (平成22年3月末)  784億6197万3千円    109.97%
第30期 (平成23年3月末) 1027億2394万1千円    143.98%
         
                 売上総利益率   営業利益率   経常利益率
第28期 (平成21年3月末)  5.79%    0.83%   1.13%
第29期 (平成22年3月末)  4.91%    0.34%   0.99%
第30期 (平成23年3月末)  3.08%   ▲0.91%   1.00%

上記によれば、売上高が増加しているにもかかわらず、売上総利益率は低下し、営業利益率も低下していることが窺われる。売上高中の飼育牛売上高は、所謂黒毛和種牛牛委託オーナー制度による契約売上のことで、第28期が約金495億円、第29期が約金603億円、第30期が約金755億円と増加していたことが窺われる。



申立会社の資産・負債その他の財産状況

(1) 申立会社の過去3年間の資産・負債の経過は、一応別添比較貸借対照表記載のとおりであり、これは申立会社の決算上の数字をそのまま引き写して横並びさせたものである。申立会社は、債務超過に陥っているわけではない。しかしながら、①黒毛和種牛委託オーナー制度のもとでは、飼育契約期間満了時において牛の再売買が予定されており、その売買代金債務が約金4076億0605万円となる。また、②再売買の目的となる飼育中の黒毛和種牛10万6343頭は、現在、申立会社の所有物ではない。そのため、①②の項目は、決算書上に表示されていない。そこで、それを加味した上で賃借対照表を作成した場合、牛の現在価値が1頭当たり数拾萬円になることから、申立会社は大幅な債務超過状態にあるといえる。

(2) ところで、平成23年5月末日資産表の賃借対照表によれば、申立会社の資産は金657億0600万円程となっているが、それを現時点で破産したものと仮定し、整理し直した上で時価評価するならば、平成23年7月31日時点で約金207億4643万円に過ぎず、約7万3000名の黒毛和種牛のオーナーの再売買代金(予定を含む)請求債権が、約金4200億円を超えていることから(仮に、その所有和牛の売却によりその分(一頭当り20万円として)が控除されたとしても、優に3900億円を超えるものと推測される)、それを含めれば総負債額が約金4058億2100万円に上ることからすれば、約金3850億0745万円の債務超過に陥っているものと見込まれる。

破産した場合には、申立会社所有の資産のうち本社事務所の土地建物の不動産は金融機関からの担保権の実行により借入残金に充当されて一般債権への弁済原資としての余力は存せず、租税等滞納分(金8億0448万円)・労働債権(金9億8092万円)・支出予定共益費用(金70億円)等が合計で約金87億8540万円程見込まれることから、一般債権である約金4030億0918万円に対する破産配当率は1.26%と推測される。

(3) 弁済の対象となる負債総額は、平成23年7月末日現在で金4318億3761万8261円に上るものと見込まれ、その内訳は、下記のとおりである。

 記

1 優先債権    729件   金       983,009,000円
2 金融債権      3件   金     5,225,628,000円
3 リース債権    15件   金       113,363,346円
4 一般債権    695件   金     5,993,817,915円
5 再売買代金  73,356件 金   420,767,886,000円

  請求債権                              
  合計     74,798件 金   433,083,704,261円


申立会社が窮地に陥った経緯

1 申立会社の畜産事業は、これまで金融機関の支援をほとんど受けられなかったが、黒毛和種牛委託オーナー制度を通じて、オーナーから資金を調達することができ、その業務を拡大して、今日に至ったものである。

2 日本の畜産業は、平成3年に牛肉の自由化がなされてからは、和牛一頭あたりの利益は赤字傾向が続き、その意味では構造不況業種に転落して現在に至っている。黒毛和種牛は、現在でも肥育牛(食肉用に育てられる牛)に関しては価格的に飼育代に見合わず、繁殖牛に関してのみ子牛を売却できることから、辛うじて利益が出ているにすぎない。したがって、全国の畜産農家は農水省の損失補償を受けることによって、かろうじて畜産が継続しえているに過ぎないのが実情である。

3 平成13年9月、千葉県内に飼育されていた牛から牛海綿状脳症(狂牛病=BSE病)が発症したことに端を発し、世にいわゆる狂牛病問題が社会問題となり、牛肉を大量に使用している焼肉業界やその関連業界は大きなダメージを被り、申立会社も牛肉の消費低迷による悪影響を受けるに至った。しかしながら、申立会社は、黒毛和種牛委託オーナーの協力を得ることにより、この悪影響を乗り切ることができた。

4 平成22年4月、宮崎県で口蹄疫が発症し、その結果、申立会社は飼養していた約1万5000頭の黒毛和種牛の殺処分を余儀なくされた。当時、口蹄疫により殺処分された牛のうち約25パーセントは申立会社の黒毛和種牛であった。その結果、申立会社の主力牧場である宮崎県の児湯第1から第9牧場のすべてが事実上の閉鎖に追い込まれてしまった。また、一部報道機関は、申立会社が「自社牧場における発症事実の報告を遅延させた」「罹病した和牛を勝手に移動し、売買伝染病(←不明。「家畜伝染病予防法」または「家伝法」か)に違反した」などと報道し、あたかも申立会社が感染拡大の張本人であったかの如き扱いがなされ、これにより生じた風評被害によって、申立会社は多額の損失を蒙るに至った。また、口蹄疫の一件が全国的に報道されたことが、黒毛和種牛委託オーナー制度の運用上、新規オーナーの獲得にとって大きな障壁になったことは言うまでもない。

5 そのような中で、口蹄疫の発症から1年も経っておらず、申立会社もその打撃から完全には立ち直っていない本年3月11日、東日本大震災が発生し、それに伴う福島原子力発電所の被災により、大量の放射能が東北から関東近県にかけて撒き散らされ、申立会社はこれによって営業上大打撃を受けるに至った。まず、申立会社は福島県の預託牧場で約3000頭の和牛を飼育してもらっていたが、それらを販売できなくなってしまった。次に、放射能に汚染された稲わらを牛に与えていたことによりセシウム濃度が基準値を超える牛が発見されたことから、岩手県、宮城県、栃木県の申立会社の牧場が牛の出荷停止に追い込まれたばかりか、その風評被害もあり、食肉市場自体が暴落するという事態が生じ、畜産業自体が成り立たなくなってしまった。このような放射能汚染牛の報道が連日なされたこともあって、黒毛和種牛委託オーナー制度は、現在会員の中途解約が平年月の3倍乃至4倍以上に激増し、新会員が集まらず、新たな契約締結も激減し、資金繰りが続かなくなり、遂には破綻に追い込まれた。

申立会社は、今や、大口の飼料購入先への飼料代金の支払いに窮した。そこで、初めて約束手形を振出交付することによって、実質上の支払い猶予を受けたりした。しかしながら、先月7月末日に支払い期限が到来した債務、すなわち、①中途解約者への売買代金、②子牛購入代金、③飼育期間満了による再売買代金等を支払うことができなくなり、資金面上支払不能状態に陥ったものである。


事業再建計画及び弁済計画

1 申立会社が債権者に対する債務の弁済について考えている再建計画の骨子は以下のとおりである。

申立会社が所有する資産を売却処分する。

すなわち、

① 畜産事業に関しては、牧場単位ごとにその土地・建物・機械設備・黒毛和牛・雇用関係を一括して売却する。なお、畜産事業の内、黒字牧場に関しては継続した上での事業譲渡を、赤字牧場に関しては閉鎖して土地建物の牧場施設としてのみの売却を図る。100%子会社の牧場に関しても同様に、会社売却等を図る。

② 食品加工業に関しては事業譲渡を行う。

③ 子会社の運営するホテル事業等に関しては、会社売買を行うか、又は、ホテル施設を売却し、それらの譲渡代金により再生債権等を支払う。

以上により、清算型による再生を目指すものである。

2 担保債務の弁済方法

担保物件を処分することにより、その売却代金により弁済する。

なお、黒毛和種牛委託オーナー制度のオーナーは、契約対象の黒毛和種牛の所有権者であり、当該和種牛を申立会社において飼養契約に基づいて占有管理しているところ、その牛を処分・換価し、処分費用を控除した残金をオーナーに返済する。オーナーは個別の牛を所有しているが、その同意を得た上、返済額に差が生じないようにする。また、オーナーに対する取り扱いは、中途解約か否かに拘らず同じになるようにする。

なお、現実には、黒毛和種牛のオーナーは、和牛を客観的な価値の10倍以上の価格にて購入しており、再売買代金請求債権額を大幅に下回る10分の1以下の金額しか回収することができないと見込まれる。

3 再生債権の弁済方法

申立会社の所有牧場を、迅速かつ高価に売却することや、子会社に対する債権を回収すること等により確保した資金を、弁済原資に充当する。優先債権の弁済や牧場の維持費等にかかる費用を勘案すれば、再生債権の数パーセントしか弁済することができないものと想定される。なお、この黒毛和種牛のオーナーが有する再売買代金請求債権から所有黒毛和種牛の対価として交付した金額を控除した残金相当分の請求権については、再生債権として他の一般債権者と同様に取り扱う予定である。


再生手続選択の理由

 申立会社が実質的な清算を目的としているにも拘わらず、破産手続ではなく民事再生手続を選択した理由は、申立会社において管理する和牛14万6000頭の存命を優先する必要があると判断したことによる。すなわち、申立会社が現在の飼育体制を当面の間だけでも維持するためには、餌の購入等の取引関係の維持、委託先農家との交渉、飼育業務に従事する従業員らの雇用の維持等、現在の業務体制を極力保全し、破産手続を選択した場合に予想される様々な法律上・事実上の混乱を回避する必要があった。

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*同書類の原本は東京地方裁判所民事第20部が管理しています。誰でも閲覧請求、謄写請求できます。

*申立会社は、この申立を地裁に行った8月9日以降この11月2日まで、同社の7万3千人に上るオーナー債権者に対して、この書類(およびこの重要事項をまとめた書類なども含めて)を、まだ一切配布していません。8月17日・19日の債権者説明会にて、代理人による口頭にて概要説明され、その議事録が申立会社HPにUPされているのみです。しかし、債権者にはこの書類内容の事実の詳細な全容を知る権利があります。

*同社の債権者の権利と利益のためにここに掲載させていただきます。

*なお、字句等の間違いが含まれてる場合があります。その旨ご了承ください。ミスを発見された場合はコメント欄などでお知らせいただけましたら幸いです。

*記事タイトル番号はブログ掲載時の単なる整理用です。

*この文書をここに掲載した責任は、すべて小豆な人にあります。文句があるなら小豆な人にお願いします。


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☆なお、本物を手に入れていないため、字句等の間違いが含まれてる場合があります。
その旨ご了承ください。ミスを発見された場合はコメント欄などでお知らせいただけましたら幸いです。

☆この文書をここに掲載した責任は、すべてとろい人にあります。文句があるならとろい人にお願いします。 
プロフィール

roko1107

Author:roko1107
安愚楽牧場にひっかかった者です
あれから人生変わりました
あくまで私個人の日記です
あくな人はイヤよん (^o^)

❤記事にイチャモンのある方へ❤
公開コメントで書いてきてネ^^
間違ってたら訂正するyo^^
削除依頼は運営会社を通してくれたら対応するお^^

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